お城を楽しむ方法を矢口氏が解説

1.矢口敏和氏がお城の魅力を語る

江戸時代まで日本ではいくつものお城が築かれてきました。
それは戦で攻め込まれた時に領土を守るための要であり、また敵が国境を越えて来ないかを監視したり抑止する役割もありました。

しかし、徳川家の支配が長く続いていくと、それと同時に各大名の威厳を示すための建物として派手な意匠を凝らしたりして、一種の芸術品へと昇華しました。

明治維新を経て、政府は各地にある武士の象徴であるお城の取り壊しをして、その当時から残っているものは殆どありません。

かつては大小合わせて数万以上はあったといわれていますが、現在残っているのは200城まで減り江戸時代以前から天守が現存しているのはわずか12城です。

それ以外のものは復元天守、復興天守といって、主に戦後に再建・建設されたものになります。
昔からのものではないとしても、かつての雰囲気を楽しむというのであれば、十分な迫力を持っています。

2.天守閣と石垣の魅力とは?

さて、そんなお城の魅力に惹かれて、矢口敏和のように全国各地を巡ったり資料を調べたりすることが趣味の人達がいます。
ただ好きと入っても歴史的な背景を含めていたり、建築物としての美しさを好んでいたりと、その方向性はいろいろと違いがあります。

それは、言い換えれば、どんな楽しみ方をしても間違いではないということですから、興味があるならば、自分なりのアプローチをしてみると良いでしょう。

では、実際にお城を巡る時、どのようなポイントに注目するとよいのかというと、やはり象徴的な部分である天守閣と石垣は外せません。
石垣には、ただ石を積み重ねただけとはいえない芸術的なセンスが見えてきます。

それは石の切り出し方はもちろんのこと、崩れないように絶妙なバランスを保つために配置することなどいろいろな点で匠の技が見えてくるからです。

石をそのまま積むやり方は野面積み、石の角や面を叩き平面にしてから、石と石の接合面で隙間をなくしていくのが打ち込み接ぎ、さらに石を四角にしてブロックのようにしてより密着できるようにしたものが切込み接ぎです。

3.石垣に使われている石で当時の歴史を考えてみる

訪れたお城でどのような積み方をしているのかを確認し、またどんな色、性質の石が使われているのか、といったことを見てみます。

石垣に使われている石には、石を運んだ大名を示す刻印が入っているものもありますから、そういうところから当時の歴史を考えてみるのも一つの楽しみ方です。

そして荘厳な姿を見せる天守は、城ごとに形が異なります。

岡山城などの天守で用いられているのは望楼型といって土台となる石垣に歪みがあっても対応できるようになっており、まだ築城技術が未熟な時代でよく見られるものです。

そして名古屋城や大阪城などに見られる層塔型は、石垣を規則正しくつくることができるようになったことで出てきたものです。
更に細かく見ていくと望楼型にも初期と後期がありますし、江戸中期に再建されたものもあります。

それぞれの姿はどのように違うのか、構造的にどのような利点があるのかということを調べていくとお城を深く理解できるようになります。

4.実際の城跡を肉眼で見るからこそ得られる感動もある

ちなみに、天守がなく、櫓や御殿だけが残っている城跡などは多いので、その痕跡に触れるということも立派な楽しみ方です。

最近ではそういった建物がないところでも、観光客を呼び込もうとVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を使って、当時の姿をCGで見えるようにするという試みを行っているところもあります。

現地に赴いて、デジタルな画面を見るということに抵抗を感じる人もいるかも知れませんが、実際の城跡を肉眼で見るからこそ得られる感動もあるといえます。

本物に触れたい、見たいというならば城の中に入るのは貴重な体験です。

今の高層ビルに比べれば、低いかもしれませんが天守の上から、当時はごく一握りの人間しか見ることが出来なかった景色を眺めることは爽快ですし、城内には鎧や古文書など貴著な資料を展示していることもあります。

歴史的な側面を好んでいる人であれば、そういった展示物を堪能出来る機会はめったにないのですから、目に焼き付けておくべきです。

5.模型ならお金がないという人でも楽しむことが出来る趣味

現地に行かず家で楽しみたいというときには、絶好のアイテムが模型です。
昔からあるものですが、組み立ててや塗装をしていき、ジオラマで周辺の野山を作っていけば小さいながらも本物そっくりの姿を生み出すことが出来ます。

手間を掛ければそれだけ精巧なもの仕上がっていくわけですから、マニア心をくすぐる逸品です。
長期休暇というのは、そう簡単に取れるものではないので、旅行するのが難しいけれども、模型であれば家で少しずつ進めていく事ができます。

それに模型は意外と手頃な値段ですから、お金がないという人でも楽しむことが出来る趣味です。

いろいろな楽しみ方をしていく中で、同じ趣味を持つ人達とSNSなどでつながることが出来れば、さらに活動の幅が広がっていきます。
1人だけはその楽しさを誰かに伝えることができないでしょうが、同好の士を見つけることで何倍にも楽しさは膨れ上がります。