これまでの原発事故と問題点をアトックスに聞いてみた

原発事故のレベルと原因

原発事故は原子力発電所で起こるトラブルのことで、対応可能なレベルのものから、人の手ではコントロールできない事態まで発生します。

原子力発電所に問題が発生した場合は、国際原子力事象の評価尺度、INESと照らし合わせて評価されます。

レベル0は何も影響がない尺度以下で、トラブルが生じた際はレベル1から7の間で、必ず評価が付けられます。

1は逸脱と呼ばれる状況で、原発事故の中では最も軽微なものです。

2になると異常事象と呼ばれるようになり、問題の大きさがややサイズアップします。

注目度が高まるのはレベル3からで、重大な異常事象と名付けられる上に、人的な被害が発生する恐れも高まります。

このクラスのトラブルは、日本を始めとして各国で事例が沢山あり、いわゆるヒューマンエラーが切っ掛けになっているケースも少なくないです。

日本では1978年に発生した、東京電力の福島第一原発3号機の事例が、初めての臨界事故だとアトックスは説明しています。

発端は制御棒の操作ミスで、戻り弁のコントロールを誤ったことから事故が発生しました。

後の調査で防げたことが分かり、同様の事故が世界で起こっている可能性も指摘されています。

レベル3以下の事例は、死亡に繋がるものではないので、1から3がひとまとめにされることが珍しくないといえます。

しかし、レベル4となれば人が亡くなっているケースもあり、重大という言葉だけでは表わせない原発事故と捉えられる傾向です。

日本においては、東海村JOCの加工施設における臨界事故が有名です。

国内3番目の臨界事故で、2名の作業員が亡くなったことが衝撃を与えました。

切っ掛けはマニュアルに従わない危険な作業で、手間を省く為に裏マニュアルまで作成していたことが分かっています。

本来であれば溶解塔という専用の設備を使う必要があったものが、ステンレス製のバケツで済ませる杜撰な管理体制です。

結果的に臨界事故が発生してしまい、作業者は青い光を見たといって被爆しました。

原発事故の問題点

INESの評価では、事業所外の大きなリスクを伴わないレベル4の判定で、今も日本の原発管理における教訓となっています。

レベル5以上となると事業所外へのリスクも伴うようになり、6では大事故で最大の7では深刻です。

国内では5や6といった事例は発生しておらず、レベル7が最高クラスの事例だと認識されています。

国内最高レベルの7は、誰もが知っている福島第一原発の炉心溶融・水素爆発の事例です。

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の影響で、冷却用の水位が下がり炉心が高温になります。

本来であれば、非常用の電源を用いて緊急冷却を行うはずでしたが、システムが作動せず水蒸気爆発の恐れが強まります。

爆発の可能性を回避する為に、やむを得ず容器の弁を開いて水蒸気を大気中に放出しました。

これが原発事故の発端で、高濃度の放射性物質を放出したことが、半径20キロ以内からの住民避難へと結び付きます。

日本初の原子力緊急事態宣言が行なわれ、地元地域だけでなく日本国内で緊張感が高まることになります。

農作物を始めとした風評被害も相まって、事故の対応に問題はなかったのか、今でも議論や検証が行なわれている問題です。

同様の原発事故といえば、旧ソ連で起きた1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故位です。

こちらは爆発が起きて炎上に繋がり、大量の放射性物質が大気中に放出されてしまっています。

原発事故の原因と対策

福島第一原発の状況と良く似ていますが、チェルノブイリ原子力発電所のケースは、発電の実験中に起こった点が異なります。

死亡者は事故の直近だけでも数十名にのぼり、作業員や救助隊員が犠牲となっています。

放出された放射性物質は気流に乗って世界各地に広がり、国境を越えて多くの人達を巻き込んだ大惨事になりました。

事故の直接的な影響を受けて亡くなった人は、2005年の時点で9千人と発表されています。

間接的な被害者も含めれば、5万5千人は死亡したという見方が有力です。

過去の原発事故に目を通して分かるのは、軽微なトラブルなら何処でも起こり得るもので、日本だけではないということです。

ただ、軽微だから安全とは限らず、暴走が発生してコントロールが人の手から離れてしまえば、問題が大きくなったり被害が拡大する恐れに発展するでしょう。

アメリカだと、チェルノブイリや福島第一原発クラスの事故は起こっていませんが、レベル5や6の事例はいくつもあります。

対応を間違えれば、数字が1つ上がっていた可能性もありますから、そう考えると決して軽視はできないことが理解できます。

人の生活に恩恵をもたらしたり、経済活動を支えるのが原子力発電所の役割なので、単純に廃止すべきと断言するのは不可能です。

ただし、今後も同様の重大な問題が発生しないとは限りませんから、原発の比率を減らしてリスクを回避したり、安全な代替方法を確立するなどの対策が不可欠です。

それこそが過去の教訓を活かす方法で、甚大な問題の発生を防ぐ現実的な答えとなります。